ステンレス溶接

錆びにくい金属の代表格、ステンレス。
皆さんのご家庭でも、よく使われていると思います。

ステンレス溶接


ステンレス(ステンレス鋼)とは、鉄にクロムやニッケルなどを加えて耐食性を向上させた合金鋼のことです。

クロム(Cr)元素が必須とされ、その他にもニッケル(Ni)、モリブデン、銅、ケイ素、窒素、アルミニウムなどを添加した様々な特性のステンレス鋼が開発されています。
鉄とクロムに他の元素を加えることで、加工性、耐酸化性、耐熱性、強度などの特性が高められています。

ステンレスは安価で錆びにくく、メンテナンスが簡単です。

家庭の台所や飲食店の厨房の調理器具など、水回りによく使われています。
その他にもステンレス鋼の用途は幅広く、建築材料、車両、船舶、家電、食品加工機械、化学装置、ガス・石油器具、ボイラー、原子力機器など多岐に渡ります。


便利なステンレスですが、実は溶接が難しいです。

その理由は主に3つあります。


理由①  ステンレス鋼の種類によって溶接特性が異なる

ステンレス鋼は基本成分と金属組織により、以下のような5つの系統に分類されます。

ステンレス溶接

更に細かく分類すれば、JISのSUS記号だけでも80種類以上があります。ステンレス鋼は非常に数が多く、種類ごとに成分が異なるため、素材の特性や溶接方法も違ってきます。
それぞれの特徴に合わせて入熱量や冷却速度を調整する必要があり、豊富な知識と高度な技術が求められます。

代表的なステンレス鋼はオーステナイト系のSUS304 (18%Cr-8%Ni)と、フェライト系のSUS430 (18%Cr)です。弊社はどちらも製作実績があります。

SUS410 (13%Cr)などのマルテンサイト系については、焼入硬化により脆くなりやすいので、溶接方法を工夫する必要があります。詳細はご相談ください。



理由②  加工と熱の課題

ステンレスには、強い力を加えると硬くなってしまう「加工硬化」という性質や、溶接後の冷却時に硬く脆い組織に変性する「マルテンサイト化」という現象で割れやすくなる性質があります。
他の材質と比べて加工が難しく、溶接者の技量が問われます。
また、溶接時の熱で材料が変形しやすいため、入熱量にも注意が必要です。



理由③  溶接部の強度の信頼性

溶接の準備(開先の設計、継手準備、材料の選定など)や実際の施工作業が不適切だと、溶接部に欠陥が発生し、製品全体の性能や強度が落ちてしまいます。
ステンレスの場合は特に水回りなどの腐食しやすい場所や、高熱、低温環境などで使われることが多いため、十分な強度が求められます。溶接部の信頼性は極めて重要です。



以上のような理由からステンレス鋼の溶接は難しいと言われ、対応できる技術者も限られてきます。



笙磨溶接 ステンレス素材別実績

SUS304 (オーステナイト系)
SUS430 (フェライト系)



弊社ではTIG溶接によるステンレスの溶接が可能です。
材質はSUS304、SUS430が中心で、板厚の薄い小さな部品、パイプ、筐体、BOX、カバーなどの製作実績があります。


JIS Z 3821ステンレス鋼溶接技能者資格を保持し、外観の美しさや継手強度などの品質向上に努めています。


JIS試験片

ステンレス溶接


ステンレス溶接、TIG溶接のことなら笙磨溶接にご相談ください。



保有資格

  JIS Z 3821 ステンレス鋼溶接技能者 1名








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