TIG溶接について

TIG溶接について


溶接は、金属などの部材に熱や圧力を加えて溶かして接合する技術です。
自動車、鉄骨、造船、橋梁、産業機械など、様々な分野に溶接が使われています。


溶接と聞くと、皆さんはどんなイメージが浮かびますか?

ガスバーナー(溶接トーチ)で金属を加熱して、バチバチと火花が出るイメージでしょうか?
フルフェイスのヘルメットと作業服で、完全装備が必要な感じ?


確かに、一般的な溶接(マグ溶接など)では、パチパチと火花が飛び散ります。
「まさに溶接!」という感じで、インスタ映えする迫力のある写真が撮れます。

ご興味のある方は是非一度、アイアン工房Shoumaのワークショップで溶接を体験してみてください。作業服などは弊社でご用意します。

TIG溶接について

今回ご紹介するのは、右側の写真の「TIG溶接」(ティグ溶接)です。
皆さんのイメージする溶接とは少し印象が違うかもしれません。

強い光を使うので保護メガネが必要ですが、炎や火花はほとんど出ません。
作業音も静かで快適です。



TIG溶接とは

TIG溶接(ティグ溶接)とは、「タングステン・イナート・ガス・ウェルディング」(Tungsten Inert Gas Welding) の略です。

融点の非常に高いタングステンという素材を電極に使用し、アルゴンなどの不活性ガス(イナートガス)を吹き付けてプラズマ化させた「アーク放電」の熱で母材の金属を溶かします。

TIG溶接はアーク溶接の一種で、高性能・高品質で仕上がりが美しく、火花が出ないという特徴があります。主な用途としては、精密機器、自動車やバイクの部品、パイプ類、小物製作などに使われています。

また、TIG溶接は多様な素材に幅広く対応できます。鉄・炭素鋼・ステンレス鋼などのほか、合金や非鉄系金属(アルミニウム・チタン・マグネシウム・ニッケル・銅など)まで、工業で使われるほとんどの金属の溶接が可能です。
他の溶接方法では難しいとされるアルミやステンレスですが、TIG溶接なら美しい仕上がりを実現できます。

TIG溶接について

TIG溶接は図1のように、シールドガスで溶接部を保護しながら溶接します。
金属の表面が空気で酸化せず不純物の混入を防げるため、溶接部の欠陥が起きにくくなります。
手動でおこなう場合は、トーチと溶加棒を両手で持って同時に操作する必要があり、熟練した技術が求められます。

装置構成は図2の通りで、風のない屋内で作業をします。溶加棒を使用せずに母材同士を直接くっつける「共付け」(ナメ付け)も可能です。



火花の影響

通常の溶接(マグ溶接)では、溶けて液体になった金属の粒が火花となって飛び散ります。
発生時の火花の温度は2,000~3,000℃といわれています。

TIG溶接について

火花に含まれる金属は、飛び散ったあとに冷えて固まり、「スパッタ」と呼ばれる小さな粒の汚れになって溶接部の周りに付着します。


一方で、TIG溶接(ティグ溶接)で使うアーク放電の熱は1万℃程度~と言われ、非常に高温です。母材の金属は一瞬で溶けて溶融池に溜まるため、火花がほとんど出ません。

その結果として、TIG溶接の場合はスパッタの汚れを落とすときにできる金属表面の穴やくぼみが発生せず、溶接肉も少ないので、美しくなめらかに仕上がります。
また、炎や火花のないクリアな視界で作業できることから、薄板や複雑で細かな形の溶接にも向いています。





TIG溶接はお任せください


笙磨溶接では主に、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅合金などの非鉄金属のTIG溶接を手掛けています。
溶接ロボットを使った大量生産を得意とする業者もありますが、弊社は職人の手作業が中心です。細かく精密な溶接を、熟練の技術(浮かし・溶加棒の送り方など)で、一つ一つ丁寧に仕上げていきます。

多品種少量生産。試作開発。自動化ラインの機械では難しい、細かな部分の溶接など。
手作業が必要なTIG溶接は、弊社にご相談ください。




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